CATEGORY:社長の視点

こんな経営方針です。

「人的資本経営」なる言葉が流行っていて、
要は人材を資源(コスト)ではなく、資本(投資)として捉えようという考え方だ。

個人的には「何を今さら!」と思っているところではあるが。

僕の経営するキャリアウィーバーでは、経営戦略を組み立てる上で「人事戦略」から会社を構築している。

「だからすごいだろ」と言いたい訳ではなく、逆にこんな経営は絶対しない方がいいと思っている。

こんなやり方は諸刃の剣なのだ。

どんなにカッコいい表現をしても、売上利益も少ない上に人材の頭数も少ない初期フェーズでは、結局のところ「人ありき」である。

一般的には、まず売上を上げて経費を抑えることで収益を立てる。
その収益が確保できてやっと人材に投資したり組織化に動いていく訳である。

でも僕は少し違う。

1人目を雇う時から、既に「こういう組織を作る」というイメージが1番にあった。

なのでキャリアウィーバーを立ち上げた時から、いきなり組織構築を見据えた会社作りをしている。

最重要するのは「売上利益」ではなく、「人材の成長と組織化」なのだから一般的にはあり得ない方法なのだ。

そうする理由の一つとして、キャリアウィーバーでは
人事コンサルや人材紹介・転職エージェントをやっていることもある。

自社が人材を活躍させきれてないのに、コンサルも何も説得力ないし。
(本当は関係ないけど、印象としてね)

でも、最も大きな理由は「地方中小企業で、人材や組織作りに投資しない会社の限界値」をたくさん知っているからだ。
(東京や都市圏はまた異世界なので違う)

僕の頭の中にあるスーパーコンピュータ(?)によると、売上と利益が確保されてる前提で…

10人までは、何もしてなくてもとりあえず会社は回る。

20人になると、社員が何を考えてるのか見えなくなるけど騙し騙しで会社は回る。

30人になると、社員の採用・育成・定着といった仕組みがないと売上と利益も頭打ちになる。

それ以上の人数になると、仕組みに加えて縦割り横割りといった組織づくりをしないと頭打ちどころか「崩壊」が始まる。

といった未来が目に見えている。

更に、規模が大きくなればなるほど、フェーズが進めば進むほど「組織づくりに大きな労力が必要」なのだ。

僕は、キャリアウィーバーを地方の中小企業で収めるつもりはない。

見据えるのは、日本全国に影響を与えることだ。

そこまでいくのに、目先の数年で「いくら儲けたか」などどうでもよい。

そう考えているから、一見遠回りではあるが
手間や労力が少なくて済む今のうちに、人材採用・育成・定着の仕組みを構築しておこうという考えなのだ。

だから「理想の組織に向けた試行錯誤」を今のうちから試して作り込んでいる。

そのデータ取りの為に、過剰でもあえて社員を増やしにいっているぐらいだ。

逆に言えば、目先の売上や利益を追って「大分県でそこそこの企業」で終わるぐらいの会社なら、今のうちに理想を追って潰れた方がマシだと思っているのだ。

こんな話をすると「売上も利益もないのに会社が存続できるか」という文脈を読めない人の意見も出てきそうなので一応言っておくと…

経営者として売上と利益はちゃんと上げるなんか当たり前の上で話している。

この経営方針は、結果が出るまでとても時間がかかる。

社員や仕組みありきなので、うちみたいな初期フェーズでは社員の入退社や成長度によって大きく業績が左右される。

でもそれでいい。

その度に、制度と仕組みを見直してコツコツと「最強の組織」を作り込んでいる。

そして、目立たないがジワジワと売上と利益が追い付いてくる。

仕組みと組織が出来ているから、どこまで伸びても崩壊はしない。

むしろ、人材や組織作りに投資した分のリターンが一気に跳ねる時が来る。(と信じている)

人的資本へ投資したリターンが先か…
会社が潰れるのが先か…

これが僕のキャリアウィーバーでの経営方針だ。

改めて言っておくが、決してオススメはしない。

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