地方中小企業の人事が取るべき「弱者の戦法」
人事や採用のコンサルティングをする中で、ひしひしと思うこと。
地方の中小零細企業には「理念」が必要だ。
いや、必要というより「そこで勝負する他ない」と言い切っていいかも。
給与や福利厚生などの額面上の条件では、大手企業には勝てないし、条件で入手した人はもっと良い条件があれば簡単に辞めていく。
都市圏とは違って、優秀な人材が溢れかえっている訳でもない。
求職者はネットで仕入れた、地方では有り得ない「理想の働き方」をあてもなく求め続ける。
そんな労働市場の中で、地方の中小零細企業が人材を確保していかなければならない。
数少ない人材を、条件だけで獲得するにはあまりにも体力が無さすぎるのが現実だ。
じゃあ、どうやって勝負するか。
「理念」しかないのだ。
しかも強烈な。
つまり「この会社はここに向かう」「この会社はこうだ」という強烈な個性を打ち出すことが、労働市場での弱者の戦法なのだ。
母集団形成も重要かもしれないが、そもそも地方の中小零細企業で作れる母集団など知れている。
それよりも、会社の強烈な想いに共感する数人に突き刺さるような会社作りをすべきだ。
結果的に、採用だけではなく育成や定着もやりやすくなる。
条件ではなく、共感で選んでくれた人材は強い。
実際に弊社のクライアントでも、人事課題を解決するために理念から見直した会社には多くの人材が集まっている。
逆に、条件や見せ方だけで求人募集する会社には人が集まりづらい。
もしくは、入社後の早期離職率が高い。
目先や小手先の求人媒体運用では、地方の中小零細企業はもはや勝てない時代になっている。
人事戦略は、理念から逆算されて作られる。
理念が弱ければ、人事マネジメントも弱いのだ。
人事は1日にして成らず。
今一度、自社の理念を見直してみてはいかがだろう。