コーチはクライアントの何を信じているか
コーチングでは、クライアント(相手)を信じて関わっていくことが重要である。
調子の良い時はもちろん、悪い時も「信じて伴走する」ことでクライアントがまた次の一歩を踏み出せるように背中を押すのだ。
「相手を信じる」と言うと、綺麗事に聞こえるだろう。
なぜなら、結果が出るかどうかなど、誰にも予想できないからだ。
それなのに、「信じてるよ」というのは綺麗事すぎやしないか?
と思うのも当然だ。
ただコーチングにおける「信じる」というのは、根拠もなくアホみたいに「絶対うまくいくよ〜」と信じている訳ではない。
コーチは別に「絶対に結果が出る」「努力は報われる」と信じてる訳ではない。
コーチが信じているのは、クライアントが「この壁を乗り越えられる」ということを信じているのだ。
クライアント自身が挑戦した結果、もしかしたら大失敗するかもしれない。
それでも、クライアント自身の力でその大失敗を乗り越えていけることを信じているのだ。
もしコーチがクライアントの「結果」ばかりを信じていたらどうだろうか?
結果が出れば信じる。
結果が出なければ信じられない。
裏を返せば、結果が出ていないクライアントは信じられなくなる。
「信じてるよ」という言葉は、「結果が出ている人は信じるよ」という意味になってしまう。
そんな関係性の中で、長期的な目標に向かって伴走していくのは難しい。
コーチじゃなくても、コーチング的な関わり方をする人は知っておいた方がいい。
親として、上司として、先生として、「結果だけで」評価して信じるかどうかを決めていないだろうか。
真のコーチは、「自分で壁を乗り越えられる」ということを信じて関わる。
結果を信じようとしたら、過去の実績でしか評価できない。
壁を乗り越えられることを信じようとしたら、これからの関わり方次第でどうにでも変えられる。
コーチングは、過去ではなく未来を創るコミュニケーションだ。
どんな悲惨な過去を歩んで来た人も、罪を犯した人も、僕は全員の相談に乗る。
現時点の結果ではなく、それらを乗り越えて「これからどう在るか」を一緒に作っていきたいからだ。